【小児喘息】喘息と食事療法

小児喘息

以前より小児喘息の改善には食事療法が期待されるといわれています。

地中海食に加え、良質な脂肪が豊富に含まれる、イワシ、サケ、マスなどの魚を摂取することで、喘息の子供の気道炎症が改善したとするランダム化比較試験の結果が報告されています。

その報告では”健康的な食事に魚を加えることで、小児喘息の症状を軽減できる可能性がある」と発表しています。

脂肪が多い魚にはω-3脂肪酸が豊富に含まれており、そのω-3脂肪酸の抗炎症作用や免疫調節作用が小児喘息の改善に関係していると考えられています。

ギリシャでの単施設ランダム化比較試験

報告では、ギリシャの首都アテネに住む5~12歳の軽症喘息の小児64人(男児52%、女児48%)を対象に研究されています。

半数をギリシャでよく食されている地中海食と、その一部として調理した高脂肪の魚(150g以上)を週2回摂取する群(魚+地中海食群)に、残る半数を通常の食事を摂取する群(対照群)にランダムに割り付けました。

肺機能はスパイロメトリーという検査で評価し、気管支の炎症は呼気中一酸化窒素濃度の測定値に基づき評価されています。

呼気中の一酸化炭素濃度が14ppb低下

年齢、性別、BMI(ボディマスインデックス)、身体活動レベルで調整して解析した結果、6か月後の試験終了時点で、魚+地中海食群では呼気中一酸化炭素能動が約14ppb低下し、対照群と比較し有意に気管支の炎症が軽減したことが分かりました。

(国際的なガイドラインでは呼気中一酸化炭素濃度が10ppb以上低下した場合に、有意な治療効果があったと解釈することが推奨されています)

一方で、肺機能や喘息コントロール、QOLスコアに関しては有意な変化は認められませんでした。

今回の研究結果から、高脂肪の魚の摂取が、小児喘息の改善に有効である可能性があり、脂肪や糖分、塩分が多く含まれる食事は小児喘息の発症や進行に影響するといわれており、健康的な食習慣を意識することが喘息の症状を管理できる可能性が示されました。

まとめ

植物由来の食品と脂肪を多く含む魚を組み合わせた伝統的な地中海食を日常の食事に取り入れることで、小児の喘息の症状を軽減出来る可能性があります。

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