ノリトレン(ノルトリプチリン塩酸塩)とはどんな薬?【三環系抗うつ薬】

抗うつ薬

ノリトレン(ノルトリプチリン塩酸塩)を処方された方へ

一般名

ノルトリプチリン塩酸塩 nortriptyline hydrochloride

製品名

ノリトレン

剤型

錠剤 10mg、25mg

適応

うつ病・うつ状態

用法・用量

1日に30~75mgを初期用量として、2~3回に分け内服し、必要に応じて最大1日150㎎まで漸増します。

半減期

約27時間

ノリトレン(ノルトリプチリン塩酸塩)の特徴

ノリトレン(ノルトリプチリン)は、デンマークのH.ルンドベック社によりジベンゾシクロヘプタジエン系構造を有する三環系抗うつ薬の一つです。

日本では1971年より発売されています。

ノリトレン(ノルトリプチリン)はトリプタノール(アミトリプチリン)が脱メチル化された化学構造を有します。

ノリトレン(ノルトリプチリン塩酸塩)の薬理作用、薬物動態

Tmax(最高血中濃度到達時間)は4~5時間で、半減期は約27時間です。

ノリトレン(ノルトリプチリン)は、ノルアドレナリン再取り込みを阻害することにより、シナプス間隙におけるノルアドレナリン濃度を増加させ抗うつ効果を発揮します。

ノリトレン(ノルトリプチリン)は生化学的には抗コリン作用、α受容体遮断作用、抗ヒスタミン作用がトリプタノール(アミトリプチリン)より弱く、起立性低血圧などの副作用も比較的出現しにくいといわれています。

ノリトレン(ノルトリプチリン塩酸塩)の適応症に対する効果

ノリトレン(ノルトリプチリン)の適応症として厚生労働省が認可しているのは、うつ病、うつ状態です。

抑うつ感そのものの改善よりも精神運動抑制の改善に効果が高く、うつ病に伴う不眠に奏功します。

ノリトレン(ノルトリプチリン塩酸塩)の意点、副作用

ノリトレン(ノルトリプチリ)を含めた抗うつ薬において、服用開始後に抗うつ効果を発現する前に副作用が出現することもあります。

特に三環系抗うつ薬は抗うつ薬の中で、作用も強いのですが、副作用も出現しやすいお薬です。

低血圧、頻脈、口渇、便秘、排尿困難、めまい、倦怠感、眠気、振戦等が見られやすい副作用です。

また、内服後、不安感や焦燥感、パニック、興奮、不眠、イライラ、攻撃性、衝動性、アカシジア等が見られる場合にはすぐに主治医に相談して下さい。

ノリトレン(ノルトリプチリン塩酸塩)の薬物相互作用

ノリトレン(ノルトリプチリン)はモノアミン酸化酵素阻害薬との併用は禁忌となっています。

抗コリン作用を有する薬剤と併用すると、それぞれの作用が増強されます。

アドレナリン作動薬、中枢神経抑制薬、全身麻酔薬、キニジン、メチルフェニデート、黄体・卵胞ホルモン製剤、シメチジン、フェノチアジン系薬剤、抗不安薬、飲酒の効果を増強させます。

降圧薬の効果を減弱することがあります。

インスリン製剤、SU剤との併用では過度の低血糖を生じさせることがあり注意が必要です。

クマリン系抗凝血薬の血中半減期を延長させます。

バルビツール酸誘導体やフェニトインなどの肝薬物代謝酵素誘導作用を有する薬物はノリトレン®の作用を低下させます。

まとめ

ノリトレン(ノルトリプチリン)は、三環系抗うつ薬に分類される抗うつ薬です。

抗うつ作用は強いのですが、副作用も出現しやすく、現在第一選択で使用されることは少なくなっているお薬です。

しかし、有用な場面もあり処方されることもありますので、内服し、副作用が気になるようならすぐに主治医に相談して、効果と副作用のバランスのとれた服薬量を調整してもらうのがいいでしょう。

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