ルーラン(ペロスピロン)とはどんな薬か【非定型抗精神病薬】

抗精神病薬

ルーラン(ペロスピロン塩酸塩水和物)を処方された方へ

一般名

ペロスピロン塩酸塩水和物 perospirone hydrochloride hydrate

製品名

ルーラン

剤型

錠剤 4mg、8mg、16mg

適応

統合失調症

用法・用量

1回4㎎、1日3 回より開始し、漸増します。1日12~48㎎で維持し、1日3回で分服します。1日最大48㎎までです。

半減期

約2~8時間

ルーラン(ペロスピロン)の特徴

ルーラン(ペロスピロン)は、住友製薬によって1985年に合成されたベンゾイソチアゾール骨格を有する化合物です。

国内初のSDA(serotonin-dopamine antagonist)として2000年12月に承認されました。

セロトニン5-HT2A受容体及びドパミンD2受容体に強い結合親和性を持ちます。

抗セロトニン、抗ドパミンの両方の作用を介して、抗精神病作用をもち、統合失調症の幻覚、妄想などの陽性症状および、意欲低下、感情鈍麻などの陰性症状の双方にも奏功することが確認されています。

ルーラン(ペロスピロン)の薬理作用

定型抗精神病薬として代表的なハロペリドールはドパミンD2受容体の選択的拮抗薬ですが、ルーラン(ペロスピロン)はドパミンD2受容体のみでなくセロトニン5-HT2A受容体遮断作用も併せ持つため、陽性症状だけでなく陰性症状に対して効果を示すと考えられています。

ルーラン(ペロスピロン)は5-HT2A受容体及びドパミンD2受容体に強い結合親和性をもつ一方で、コリン作動性ムスカリン受容体及ベンゾジアゼピン受容体には親和性を示しません。

主要代謝物の一つの抗セロトニン作用が強く、抗ドパミン作用をほとんどもたないため、脳内でのセロトニン5-HT2A受容体への作用が強まることで、錐体外路症状の発現が少ないと考えられています。

内服後、約1.4~1.7時間後に最高血中濃度に達し、半減期は約2~8時間と比較的短く、血中濃度の減少も速やかです。

反復投与による蓄積性は認められていません。

主に肝臓(主にCYP3A4)で代謝されます。

ルーラン(ペロスピロン)の効果

ルーラン(ペロスピロン)は、統合失調症について厚生労働省より認可をうけています。

統合失調症における幻覚・妄想などの陽性症状を改善するのみならず、情動の平板化、自閉、自発性・流暢さの欠如などの陰性症状を改善すると報告されています。

統合失調症の抑うつ気分、不安にも効果があると認められています。

ルーラン(ペロスピロン)の副作用

アカシジア(約25%)、振戦(約15%)、筋強剛(約12%)、構音障害(約10%)等の錐体外路症状、不眠(約22%)、眠気(約14%)等の副作用の報告があります。

まとめ

ルーラン(ペロスピロン)は第二世代(非定型)抗精神病薬に分類される、セロトニンとドパミンをブロックする作用に優れたお薬です。

統合失調症における幻覚・妄想などの陽性症状を改善させる効果や、意欲低下や感情鈍麻などの陰性症状への効果が認められており、統合失調症の抑うつ気分や不安への効果もみられており、比較的安全性は高いと考えられているお薬です。

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