ルジオミール(マプロチリン塩酸塩)とはどんな薬か【四環系抗うつ薬】

四環系抗うつ薬

ルジオミール(マプロチリン塩酸塩)を処方された方へ

一般名

マプロチリン塩酸塩 maprotiline hydrochloride

製品名

ルジオミール

剤型

カプセル 10mg、25mg

後発品

クロンモリン、マプロチリン塩酸塩、マプロミール

適応

うつ病・うつ状態

用法・用量

1日30~75mgを2~3回に分けて内服しするか、1日1回夕食後か就寝前に内服します。

半減期

約46時間(19~73時間)

ルジオミール(マプロチリン)の特徴

ルジオミール(マプロチリン)はジベンゾバイサイクロオクタジエン系に属し、三環系抗うつ薬の次の代2世代の抗うつ薬で、立体四環構造を示すことから、四環系抗うつ薬と呼ばれる分類に属します。

四環系抗うつ薬としては最も早い1964年にスイスのチバガイギー社で合成され、1972年から発売され、日本では1981年から発売されています。

薬理作用としてノルアドレナリン取り込み阻害作用が強いという特徴をもっています。

半減期が約46時間と長く、1日1回の内服が可能で、比較的速効性があり、抗コリン性の副作用の発生頻度も少ない等の利点を持っています。

ルジオミール(マプロチリン)の薬理作用、薬物動態

Tmax(最高血中濃度到達時間)は6~12時間で、半減期は約46時間ですが、19~73時間の幅で個人差が大きいです。

血漿血中濃度は内服を継続して、約2週間以内で定常状態に達します。

内服して48時間以内に30%が尿中へ、96時間以内に48%が尿中へ、13%が糞中へ排泄された。

ルジオミール(マプロチリン)は、神経終末へのカテコールアミン取り込み阻害作用によって抗うつ作用を示すといわれています。

ノルアドレナリン取り込み阻害作用、抗レセルピン作用、抗テトラジン作用を示す部分に関しては三環系抗うつ薬に似ています。

しかし、セロトニン取り込み阻害作用はほぼみられません。

中枢性の抗コリン作用をほとんど持っていないので、副作用の発生頻度は少ないです。

ルジオミール(マプロチリン)の効果

一般臨床試験における、うつ病およびうつ状態の治療において著明改善率は約27%、中度改善は約57%、軽度改善が約72%との報告があります。

抑うつ気分や不安、焦燥感などのうつ状態の症状に対して、三環系抗うつ薬よりも改善率が優れていたという報告がります。

ルジオミール(マプロチリン)の注意点、副作用

ルジオミール(マプロチリン)をはじめとする抗うつ薬において、服用開始後に抗うつ効果を発現する前に副作用が出現することもあります。

口内乾燥、めまい、便秘、眠気、頭痛などの報告があります。

ルジオミール(マプロチリン)は抗コリン性副作用が比較的少ない特徴があります。

他の抗うつ薬と比べ、皮膚症状(発疹等)がやや多く報告されています。

また、心循環系(心電図におけるQT延長等)、肝・腎機能の異常を定期的に検査して観察するのが望ましいです。

内服量を急激に増やしたり、高用量を長期間にわたり継続して内服した際に痙攣をおこすことがあるので注意が必要です。

ルジオミール(マプロチリン)の薬物相互作用

フェノチアジン誘導体等の薬剤との併用で痙攣閾値の低下から痙攣発作の出現に注意する必要があります。

リスパダールやSSRIとの併用で、ルジオミール(マプロチリン)の血中濃度が上昇し、作用が増強する場合があります。

インスリン製剤やスルフォニル尿素系糖尿病治療薬と併用すると血糖低下をきたすことがあります。

クマリン系抗凝血薬と(ワルファリン)と併用するとクマリン系抗凝血薬の血中半減期が延長する可能性があります。

まとめ

ルジオミール(マプロチリン)は抗うつ効果に優れ、三環系抗うつ薬に比較し、抗コリン作用等の副作用が少ない四環系抗うつ薬に分類される抗うつ薬です。

1日1回の内服で効果が持続し、比較的速効性のある抗うつ薬です。副作用が気になるようならすぐに主治医に相談して、効果と副作用のバランスのとれた服薬量を調整してもらうのがいいでしょう。

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